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Uru /振り子
更新日:8月12日

Uruは2010年代に知った女性シンガーとしては個人的には1番好きな歌手かも知れない。自身でほぼ全てのクリエイティブをやってのける事からも生粋のアーティストだと思う。(小林武史氏のアレンジ曲以外?)憂いのある声と楽曲、特に歌詞にはいつも共感する。『プロローグ』や『あなたがいることで』など愛聴曲も多いが、この『振り子』という曲には特別な力を感じる。"幸せや夢を掴む為ポジティブに生きていこう"というのは、いかにも綺麗な言葉ではあるが、物理的、精神的な環境からどうやっても、そういう希望を持てない人が居るのは、紛れもな無い現実だし、その人達からすれば、ただ虚しく希薄な言葉に過ぎないかも知れない。
悲しみや苦しみで、涙を流すことさえ出来ずに這いつくばって生きている人生の中にも、少しでも光を見出して欲しいと、何度も何度も作り直して創作されたのが、この曲と聞く。ただ心悲しく重苦しい空気が流れているだけでは無い、物事には光の方向にいつか振れて微かな希望が灯る事があると訴えかけてくる歌声には押しつけた力強さとは全然違う種類の生きる事への愛への願いとも言えるエネルギーが伝わってくる。
然し、一体Uruはどんな人なのだろうと、何時も関心が潰えることが無い人である。